逆転の発想で空き家問題に新しい価値を 潜在する空き家を借り手が発掘「さかさま不動産」で7軒目の成約 #空き家

空き家活用/リノベーション ニュース

株式会社On-Co(本社:三重県桑名市、以下On-Co )が運営する、物件を借りて挑戦したいことがある人の想いを可視化して貸主を募集するウェブサイト「さかさま不動産」にて、愛知県名古屋市で接客とクリエイティブに凝ったシーシャカフェを創りたいという挑戦が成約に至りました。

さかさま不動産の狙い
少子高齢化や人口減少などにより増え続けている空き家。
2040年には空き家率は40%を超えると予測され深刻な社会問題となっている。
さかさま不動産(https://sakasama-fudosan.com/)は、物件情報が並ぶ不動産の従来型とは逆で、借り手の目標や想いが並ぶウェブサイト。
貸主からアプローチを行い、合意に至れば各自で契約をする仕組みとなっている。
事前に借り手の人物像を把握可能にすることで、潜在する空き家の発掘や、空き家を介した関係構築を狙う実証実験として2020年6月にサービスを開始させました。

発想のベース
発想のベースはOn-Coが、空き家は街の余白であり挑戦の場として、地域活性に取り組んできた経験。
現在サイト上には「安心して産める助産院を作りたい」「ガソリンスタンドでコーヒースタンドを作りたい」などの夢や想いが綴られている。
生まれたての挑戦
成約したのは、名古屋市大須エリアにて接客とクリエイティブを重視したシーシャ(水たばこ)カフェ開業を目指す水橋サスケさん(愛知県・23歳)。
学生時代から名古屋に若者やクリエイターが集まる場の創出を目指してイベントなどを手掛けてきた。
今回開業するシーシャカフェは、従来のアングラ色を払拭し、ワークスペースを兼ねた明るくクリーンな店舗を計画。
他者との繋がりを感じられるサードプレイスになることを狙っている。
7月には物件内の残置物を片付け、8月には開業資金のクラウドファンディングを予定している。

家主の想い
水橋さんに物件を提供したのは同市内にて事業を営む家主。
物件は倉庫として引き合いはあったものの、それではつまらないし、出来れば面白い人や活気のある場所にしてくれる人に貸したいと考えていた。
また若者を応援したいという気持ちも強く、さかさま不動産を通して数名に連絡を取る流れで、水橋さんに行き着いたという。
「面白いことをしたいと考えている物件オーナーは多い。ただ従来の不動産の仲介の仕組みでは、先に借り手の想いや目標を知るのは難しい」と家主は話す。

マッチングした水橋サスケさん

空き家の有効活用が地域活性へ
これまで本サービスを通して夢が実現したのは、書店(愛知県名古屋市)、海洋プラを活用したアート製作場(三重県鳥羽市)開業など計7件の挑戦。
さかさま不動産は人のモチベーションに反応する仕組み。
先に借り手の物語を知ることで、貸主だけでなく地域の人たちが、空き家という資源を活用して応援する構図が見えてきた。
更に借り手はサステナブル志向が高く、街の余白を埋めるだけでなく、地域の活性化に一役買うという副次効果も生まれている。

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