持続可能な未来につながるコンセプト住宅が完成『Green Infrastructure Model(グリーン・インフラストラクチャー・モデル)』 #SDGs #ミサワホーム

空き家活用/リノベーション ニュース

○ 住まいの枠を超え、人々の健やかで先進的な暮らしを支える未来コンセプト住宅
○ カーボンニュートラルへの総合的な取組みである「グリーン」と、安心して豊かに暮らすための「インフラ」
○ 「グリーン」×「インフラ」の新しいデザイン提案により、暮らし・健康・環境のサステナブルな住まいを実現

 ミサワホーム株式会社(代表取締役社長執行役員 磯貝匡志)は、暮らし、健康、環境など社会が抱えるさまざまな課題の解決につながるコンセプト住宅「グリーン・インフラストラクチャー・モデル」を、住まいづくりの体感施設「ミサワパーク東京」(東京都杉並区高井戸)に建設しました。

 ミサワホームは、再生可能エネルギーの自家消費率や建物の長期利用、防災性能の向上など、当社のカーボンニュートラルに向けたすべての取組みを「グリーン」として考えます。あわせて、エネルギーや水などの生活インフラのほか、働く場所や社会とのつながり、感染症対策をはじめとした健やかに暮らすための技術、災害に対する安全、緑に囲まれた安らぎなど、人々が安心して豊かに暮らすための基盤すべてを「インフラ」としてとらえています。「グリーン・インフラストラクチャー・モデル」では、住宅を住まいの枠を超えて人々を支えるインフラのひとつと考えるデザイン提案によって、暮らしと健康、環境、3つのサステナビリティを実現します。

 ミサワホームは、より良い住まいづくりがより良い未来づくりにつながると考え、さまざまな社会の変化に柔軟に対応して貢献する、持続可能な住まいづくりを目指します。
 

  • コンセプト住宅「グリーン・インフラストラクチャー・モデル」の開発背景

 ミサワホームは、これまで社会ニーズに先駆けて環境に貢献できる住まいの研究を積み重ねてきました。1998年には世界初のゼロ・エネルギー住宅を発売し、2010年には、2030年を見据えた更なる省エネルギー住宅として、LCCMを実現する「エコフラッグシップモデル」を発表しました。

2010年発表のエコフラッグシップモデル(同年にグッドデザイン賞を受賞)

  そして昨今、激甚化する自然災害や感染症への不安は高まり、空き家の増加も深刻化するなど、社会課題は以前に増して複雑になっています。また単世帯や共働き世帯、高齢者世帯がそれぞれ増加するなか、人々の暮らし方も多様化しています。
 こうした社会課題の解決や多様な暮らし方に対応するためには、エネルギー面だけではない、多面的、かつ住まいの枠を超えたサステナブルな暮らしの提案が必要だと考え、新たに2030年の住まいとして、持続可能な未来につながるコンセプト住宅を提案します。

  • 「グリーン・インフラストラクチャー・モデル」の概要

 「暮らし」、「健康」、「環境」、3つのテーマでサステナビリティを実現する新しいデザインが特長です。モデル棟では、住宅以外への可変性も視野にフレキシブルな長期利用を可能にする空間構成や、感染症対策を含む健康面の提案、自然災害への備えに加え、エネルギー面でも自立したレジリエンス性の高い安全・安心な住まいのもと、家族や社会とつながりながら、いつまでも豊かに過ごすことができる暮らしを提案します。 空間構成では、1階をシェアオフィスとして貸し出すパブリックな空間、2階を家族が健康的で豊かに過ごすプライベートな居住空間としています。シェアオフィスは心地よく、効率的に働くことのできる環境を整え、平日は働く場として、休日にはカフェのように地域の人々が交流する場として利用してもらうことを想定。これまで別々にあった住宅や職場、そして友人と集う場を一体的に提供することによってマルチプレイス化し、場所にとらわれない新しい暮らし方ができるようになります。

  • 暮らしのシン・デザイン ―  長期にわたって多様な利用ができる住

■人に最適な自然環境に近づけて、効率的かつ心身とも快適にはたらくワーク空間
 1階に設けたシェアオフィスでは、仕事内容に応じて最適なワークプレイスを選ぶことができる空間として「ABW(Activity Based Working)設計」を提案。また、緑化や音などの要素を自然環境に近づけて設計する「バイオフィリックデザイン」(※1)に加えて最適な植物の配置によって、ストレス軽減や生産性の向上が期待できる環境(※2)を提案しています。

(緑に囲まれ、鳥のさえずりが聞こえる心地良いシェアオフィス空間)

 植栽は全て計画的に配置し、仕事に取り組むにあたってストレス軽減に最適とされる緑視率10~15%(※3)を確保。また、大収納空間「蔵」はオフィス収納のほか、地域の防災備蓄としても活用できます。
 平日のシェアオフィス利用に加え、休日は家族で利用したり地域の人々に開放したり、長期的にはカフェなどの店舗貸しや、多世帯の同居スペースとするなど、多用途な利用が可能となる空間としています。

(地域の備蓄を想定した大収納空間「蔵」)

※1:人工的な環境下において、人と自然のつながりを創造し、人の健康と幸福を向上させる空間デザイン
※2:パソナ・パナソニック ビジネスサービス(株)が提供するCOMORE BIZ(コモレビズ)を活用した提案
※3:建築学会で使われる「緑視率」の定義として「人の視界に占める緑の割合で、緑の多さを表す指標」

■将来的な搬送・介護ロボットの導入に対応するフルフラットのバリアフリー設計
 将来的な車いすやロボットの利用など、家族状況の変化や使用する機器の進化を想定し、ホームエレベーターを含むフルフラットのバリアフリー設計を採用しています。
 また、スマートフォンの操作により荷物を自動で運搬する「収納支援ロボット」を導入。ビルトイン宅配BOXで受け取った荷物を「蔵」に運んで保管したり、指定した荷物を「蔵」の外まで運び出したりするなど、さまざまな作業を支援します。

■視覚と聴覚で空間を広げる「コネクテッドリビング」
 フレキシブルな利用を前提にシンプルな配置構成とした2階のLDKは、エントランスの吹き抜けと開放感のあるガラスパーテーションでつなげ、透明・不透明の切り替えが可能な調光ガラスを採用。パーテーションを大きなスクリーンとして利用することにより、オンラインを活用して、離れて住む家族の様子を映し出したり、料理教室などの集まりに参加したり、家にいながら離れた場所とのつながりを可能にしたリビングです。

 音環境では、音の広がる範囲を一定の方向に制限することができる超指向性スピーカーを活用することで、空間拡張や音のパーソナライズ化を提案しています。聴覚を通して空間に広がりを感じるとともに、家族が近くにいても、各々の部屋にいるように、自由に好きな音楽やサウンドコンテンツを楽しむことができます。

■生活用品や医薬品などの受け取りを想定した移動式の「ドローンポート」
 コロナ禍により急増した宅配に対して、物流業界ではドライバーが不足している一方で、人口の少ない郊外では物流インフラの維持も問題になっています。ドローンの社会実装本格化を見据え、住宅側で生活用品や医薬品などの受け取りができる仕組みとして、バルコニーと隣接するフラットルーフに移動式のドローンポートを提案しています。
 移動式のドローンポートは、屋根下の待機場所から、荷物の到着場所に自動で移動し、受け取り後は所定の位置まで戻り、ワイヤレス給電により充電して待機します。

■360°ビューで直感的な操作が可能、メンテナンス管理に役立つ次世代UI
    従来の平面的なデザインとは異なり、実写画像の上にタグを埋めこんでボタンや情報を構成する、次世代ユーザーインターフェイスを提案。タブレット型端末などで画像上の照明やロールスクリーンをタップすることで、直感的な操作ができるほか、選択した設備機器のメーカーや型番、取扱説明書など、製品の解説を参照可能でメンテナンスに便利です。また、温湿度センサーなどを活用した耐久モニターも搭載し、異常の早期発見や適正な時期のメンテナンス実施に役立てます。

  • 健康のシン・デザイン ―  スマートウェルネスを実現できる住まい

■帰宅時に除菌するクリーンクローク
 1階に家族のプライベート用に設けた玄関には、非接触の自動ドアやタッチレス水栓を設けたクリーンクロークを提案。帰宅時、抗菌・抗ウイルス照明によって靴やコートを、紫外線照射によってスマートフォンを除菌できます。また、クローク内には冷蔵と常温で上下に仕切られたビルトイン宅配BOXを備えてクール便や大型荷物の受け取りに対応するほか、洗面台に設置する非接触の情報ミラーでは、交通情報や天気など外出時に必要な情報を確認でき、感染症対策とあわせて豊かな暮らしをサポートします。

■家庭内感染から家族を守る療養部屋
 2階に設けたホームオフィスは、日常では書斎や趣味の部屋、体調を崩した際には療養部屋として使えるマルチプレイスです。療養時には、隣接する洗面・トイレまで含めて仕切り、独立換気とトイレの換気を併用して部屋を負圧にコントロール。空気の流出を防ぎ、家族間の感染リスクを抑制することができます。
​ あわせて、ホームオフィスでは、可動ウォールパーテーションを採用しており、間仕切ることによって、1室で2人が快適に在宅ワークを行うことができます。

■パーソナライズされた快眠ソリューション
 2階の主寝室では音や温湿度などをパーソナライズ化することで、健康的な睡眠環境と夫婦同室を提案しています。AIスピーカーやセンサーと連携したシーン制御によって、入眠を誘うリラックスタイムや睡眠中、起床時など、状況に合わせてベッドの角度や照明、加湿器、ロールスクリーンなどを自動制御。寝室にも超指向性スピーカーを採用し、起床する時間が異なる場合でも、一方のアラームによって隣で寝ている相手を起こしてしまうことを防ぎます。また、睡眠中の心拍や呼吸、体動を自動測定した睡眠スコアは、洗面台の情報ミラーに表示されるため、日常生活から健康管理ができ、心身の健康を保ちます。

■健康モニタリングの要素をもつ「ウォーターリビング」
 1.5階には、単なる水廻りではなく、健康に心地よく過ごせる居場所として「ウォーターリビング」を提案しています。壁面全体を情報ミラーとした洗面台には、寝室で測定した睡眠スコアや、床面と一体になった体組成計との連携機能、体温測定機能などにより、日常的に健康管理を行えるほか、大画面のモニターとして映画鑑賞も可能です。ウォーターリビングは、2階のコネクテッドリビングとダクトを通じて空気環境をつなげるシェア空調により、寒い季節のヒートショックなど、健康障害を予防するとともに、居心地のよい空間として寛ぐことができます。

  • 環境のシン・デザイン ―  自然災害から家族を、温暖化から環境を守る住まい

 外構計画では、自動車の給電対応や将来的なモビリティサービスに備えてビルトインカーポートを採用。隣接するレジリエンスウォール内部には、車と住宅間で給電するV2Hや災害時に車から電力を給電する「クルマde給電」のほか、ミサワホームが水害対策として提案する防災エクステリアのスマート防水ボード、雨水を活用する雨水タンクを備えています。タンクの水はポンプアップして2階バルコニーにある植栽の給水などに活用し、非常時には夫婦2人分で最大約8日分もの生活用水を確保できます。

 屋根・外構に設置した太陽電池、燃料電池、蓄電池による全負荷型3電池連携システムにより、エネルギーの自立性を高める提案をしており、停電時にも住まい全体に高出力の電力を供給できるため、自宅非難を可能とし、普段に近い暮らしが継続できます。また通常時には、再生可能エネルギーの自家消費率を高めてカーボンニュートラルの実現に貢献します。

■ハイドロカルチャーの植物による空気浄化と涼風制御システム
 1階の屋内エントランスホール「コネクテッドラウンジ」に植えたシンボルツリーなどの植栽には、水耕栽培のハイドロカルチャーを採用。通気性や排水性を高めることにより、根の持つ空気浄化作用を促進させて空気質環境を良好に保ち、ファンを通じて室内にきれいな空気を送ります。あわせて夏場には、雨水を流すことで打ち水効果が生まれるドリップルーバーによって冷やされた涼風を室内に取り込みつつ、高窓やシーリングファンなどの連携で温かい空気を自動で換気する「涼風制御システム」により室内の温度環境を改善します。

■「グリーン・インフラストラクチャー・モデル」のプラン概要

建物名称:Green Infrastructure Model(グリーン・インフラストラクチャー・モデル)
建物面積:建築面積208㎡/1階床面積191㎡/2階床面積126㎡/延床面積317㎡(96.07坪)
構造・工法:センチュリーモノコック・木質パネル接着工法
所在地:杉並区高井戸東2-4-5
HP:https://www.misawa.co.jp/kengaku/park-tokyo/ (ミサワパーク東京)

※Green Infrastructure Modelはコンセプト住宅であり、
 建物自体を含め製品化されていない試行段階・実証的段階の内容が含まれます

以 上

(ご参考)
■持続可能な社会実現に向けたミサワホームの住まいづくり
 ミサワホームでは、1992年に、現在は当たり前である太陽光発電を住宅に搭載して余剰電力を売電するシステムを開発した「エコ・エネルギー住宅」を建設。以降、世界初のゼロ・エネルギー住宅「「HYBRID-Z」や業界初の「ゼロCO2・ゼロエネルギー住宅」の発売、建設時からのCO2収支を実質ゼロとする「ECO Flagship Model」の発表など、約30年にわたって地球環境に貢献できる住まいの開発を行っています。ミサワホームは、これからも新しい住まいづくりを通して持続可能な未来の実現に向けて取り組みます。

■ 「グリーン・インフラストラクチャー・モデル」 の LCCM 仕様
 より高い環境性能を目指す一方 で、在宅時間の増加に伴い、住まいをより快適にすることも重要だと考えま
す。LCCM仕様では、開口面積率10~12%の一般的な住まいと比べ、東京などの6地域A4区分において、約17.84%の大開口を設けて開放的な空間を実現しながら、UA値0.46W/㎡Kの高い断熱性能を備え、建設後28年でLCCMを達成することが可能です。

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